1.情報発信の基本
マスコミュニケーションとマスメディアの違い
マスコミュニケーションとマスメディアってどう違うのでしょうか?それぞれ直訳すると、マスコミュニケーション(mass communication)は大衆伝達、マスメディア(mass media)は大衆媒体となり、マスメディアを用いて、多数の人に情報を伝えることをマスコミュニケーションといいます。
不特定多数の人々に対して大量の情報が伝達されること→マスコミュニケーション
新聞・雑誌・ラジオ・テレビ・映画・インターネットなどの情報伝達媒体→マスメディア
情報発信形態の変化
1871年、日本に初めて日刊の新聞が誕生し、その後1925年ラジオ放送の開始、1953年テレビ放映開始、そして1990年代にインターネットが登場と、140年の間に情報発信の形態は変遷、多様化しました。2010年代以降は個々がSNS等で簡単に情報発信することができるように。情報発信の主体はパブリックからパーソナルになりつつあります。
インターネットって?
インターネットとは複数のコンピューターネットワークを相互接続したネットワークのことです。
World Wide Web(ウェブページやウェブサイト)のことを「インターネット」と呼ぶのは誤用であり、ウェブページなどはインターネット上で利用可能な一機能を指します。
インターネット(web)のメリット・デメリット
メリット
- コストがあまりかからない
- 個人単位での情報発信も可能
- ピンポイントで展開できる
- 情報伝達スピードが速い
- 発信手段の選択が選べる
デメリット
- 情報の信憑性が低い
- 著作権の扱いに注意が必要
- セキュリティに問題がある
インターネット(web)を利用した情報発信
インターネットを使った情報発信には、HP(ホームページ)、ブログ、SNSがあります。それぞれの特徴をみてみましょう。
HP
昔は初期にコストと手間がかかっていたため敷居が高いものでした。しかし、Wix(ウィックス)やWordpress(ワードプレス)など、専門技術や知識がなくても無料でデザイン性の高いホームページが作成できるインフラが整ってきたため、再び注目を浴びつつあります。
情報が蓄積できる、設計の工夫によりHP上でWeb決済・掲示板機能・メール送信などさまざまな機能を追加できるなどのメリットがあります。
ブログ
日記や論評などを加え、ログ(記録)しているウェブサイトの一種を指します。「WebをLogする」という意味でWeblog(ウェブログ)と名付けられ、それが略されBlogと呼ばれるようになりました。さぽらんての登録団体ではCANPANを使っている団体が一番多く、他にはアメブロ、fc2、livedoor Blogなどが利用されているようです(H29年7月現在)。
設置・運営が簡単、他のブログなどへのリンクが自動的にできる(トラックバック)、携帯からも利用できる、閲覧者がコメントを残せるなどのメリットがある一方、デザイン的には凝りにくい、過去の記事の整理に工夫が必要などのデメリットがあります。
SNS
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(Social Networking Service)の略で、インターネットを通じて他者とのコミュニケーションがとれる会員制サービスのことです。日本では当初Mixi(ミクシィ)やTwitterなど匿名で登録できるSNSが主に使われていましたが、実名登録して使用するフェイスブックやLINE(ライン)、インスタグラムが主流となってきています。手軽に情報発信できる、公開範囲をカスタマイズできるなどのメリットがある一方、そのSNSを使っている人にしか情報が行かない、乗っ取りや成りすまし被害が多いのがデメリットといえます。
主なSNSの特徴と分類
以下は「IoT時代における新たなICTへの各国ユーザーの意識の分析等に関する調査研究」(総務省,平成28年)ソーシャルメディアの使用状況について調査した結果です。20代では半数以上が、30代、40代でも2~3割がSNSを使っていることが分かります。
また、利用率が高いのはLINEで、60代でも2割近くの人が利用しており、市民生活に確実に浸透していることがうかがえます。

(単位:%)
メリット
- 公開範囲が自分で決められる拡散したい
- 情報が広がりやすい
- 実名登録なので、無責任な批判にさらされる脅威は少ない
デメリット
- 情報が蓄積されない
- 投稿が時系列で表示されない
- いらない情報も入ってくる(広告、関係のない人の全体公開記事など)
メリット
- 情報をタイムリーに時系列で発信できる
- 短文なので気軽に投稿しやすい
- フォロアーに一斉に情報を届けられる
デメリット
- リツイート機能で情報が意図せず不特定多数に拡散されることがある
- 匿名での利用者が多いため、ささいなきっかけで非難・批判・誹謗・中傷が殺到する炎上現象が起こることがある
LINE@
メリット
- メルマガ感覚で特定多数の人へ情報発信できる
- 専用のHPやアンケート投票機能がある
- 友だち登録してくれた人と、1対1のトークや、タイムラインへ投稿も可能
デメリット
- タイムライン投稿が無料で使えるのは月4回まで
メリット
- 写真に特化した投稿
- ハッシュタグ機能で情報を必要としている人の目に触れる機会が増える
- 他のSNSと親和性が高くシェアしやすい。
デメリット
- スマホでしか投稿ができない
2.メディアリテラシーと著作権
メディア・リテラシーとは【メディアを介したコミュニケーションを意識的にとらえ、批判的に吟味し、自律的に展開する営み、及びそれを支える術や素養の事】を指します。(出典:『現代用語の基礎知識2012』) インターネットが登場する前は、低俗な内容のテレビを批判・揶揄する意味で使われることが多かったこの言葉ですが、インターネットの発達で情報が氾濫した結果、デマ情報が拡散するなどの問題が発生するようになり、自分自身で正しい情報を判断し選べるようにするための教育全般を指すようになりました。
著作権は、【文芸・学術・美術・音楽の範囲に属する著作物に関してその著作者が独占して利益を受ける権利】(出典:『現代用語の基礎知識2012』)のことで、原則著作者の死後50年間存続するものです。当然映像や写真にも著作権があり、それを遵守するよう法律で定められていますが、実際には無断で利用・転載などの事例は多く起こっています。
情報の偏りの身近な例
イベント撮影を行いました。しかし当日はあまり人がいませんでした。
あなたはどう撮影・編集しますか?
撮影する側からすれば『多くの客でにぎわっていた』ように写し、
編集したくなりますよね?
このように編集した映像を見せることで、受け手に真実ではない情報が伝わるのです。
3.文章の書き方のコツ
情報発信者としての心がまえ
情報は発信した途端に責任が発生します。個人はともかく、団体にとって発信する情報は人からの信頼を左右する大事なもの。著作権をはじめ書き方などにも気を付けて文章にしましょう。
1) 常にアンテナを高く、敏感に!
普段の暮らしや出会いの中でいつもと違う「何か」がないかニュースを探します。そして、どんな人にどんな情報を発信したいのかをはっきりさせましょう。
2) 百聞は一見にしかず!
取材の原点は「足で書く」こと。まずは、自らの目で確かめ、理解することを心がけます。
3) 多角的な視点を持つ!
誤った情報ほど怖いものはありません!表面上の情報や一人の人の話をうのみにせず、裏付け収集をし中立・公平に、違った角度から見つめてみましょう。
4) 自分の意見を持っておく!
話の芯がしっかりしていないとせっかくの情報が誰にも伝わりません。自分が何を伝えたいのか、何が大切なのかをはっきりさせ簡潔に表現し ましょう。
記事を書くときの基本
記事を書く時には、最低限入れるべき情報があります。また、文章の構成にも、読み手が分かりやすいような工夫が必要です。
3C
わかりやすく(clear),簡潔に(concise) ,正確に(correct)
1Y2T
過去・経過(yesterday), 現在・現状(today), 将来・展望(tomorrow)
5W1H
いつ(when),どこで(where),だれが(who),なにを,(what),なぜ(why),どのように(how)
「結論」⇒「本論」⇒「序論」
- 何を伝えようとしているかを分かりやすく、より簡潔にするために!
- 読み手にとっても必要な情報かどうかが一目瞭然です!
より魅力のある、読みやすい記事にするために
自分の言いたいこと、書きたいことをそのままつらつらと記事にしたところで、正直、誰もそれを読みたいとは思いません。
興味のない人がその記事に魅力を感じ、興味をもってもらうためにも、以下のことに気をつけましょう。
- 主語と述語をハッキリさせよう。
- プラスのイメージの言葉を使おう。
- 言葉の重複を避けよう。
- 漢字を減らそう。
- 優しい言葉で書こう。
その他のアドバイス
- とにかく書くこと。1に努力、2に手法、そして優先順位(伝えたいことを絞る)
- 「伝えたい思い」で、いろいろな文章を読むことが、言葉の引き出しを増やす。
- 短くてわかりやすい文章が一番!
- 記事の効果としての写真を用いる。
- 出来上がった文章は、気分を変えて斜め読みでも理解できるかどうかをチェック!