1.事務処理とは
NPOが事業を実施するにあたって欠かせないのが事務処理。特に助成金や補助金をもらって事業を行う時は必ず必要な作業です。そんな事務処理の意味とコツを知れば、いろんな事業を行いやすくなりますよ。
事務処理を行うメリット
1) 事務文書がノウハウの引継ぎになる
事業について関係する文書を記録することで、団体のノウハウが蓄積される。
例)イベントものであれば…
開催案内及び案内先一覧
準備物・会場使用申請書・報道配布資料・チラシ作成物及び配布先一覧・進行表・当日の記録(復命書)など
2) 決定事項や動きを共通認識できるようになる
みんなが今の動きが分かるようになる。
団体のメンバーが、詳細を把握していなくても、概要は知っているようにしておくため。また不測の事態(事故、病気等)が起こったときにも対応しやすい。
事務処理の分類
事後処理の文書は外向けと内向けの2つに分けられますが、さらに細かく分かれています。
外向け文書(公的文書): ある程度形式が決まっているもの。
種 類 | 用 途 |
依頼文 | 協力依頼・後援依頼・講師依頼等。 |
挨拶文・礼状 | 講師や協力者への礼状等。 |
開催案内 | 外部委託や賃貸借等の種々の契約書。 |
契約書 | 研修やイベントの開催をお知らせする文書等。 |
助成金申請 | 助成金を申請するときの文書等。 |
内向け文書(内的文書): 自分たちで様式を決めるもの。
種 類 | 用 途 |
復命書(報告書) | 会議出席や出張、講座の様子等を記録したもの |
議事録・会議録 | 内部の会議で議論内容や決定事項を記録したもの |
伺い文 | 物事を決めるために、決定責任者に確認をとるもの |
取り決めごと | 団体内の規定や決まりごと等 |
仕事の内容を正確に把握するためのコツ
1) 伝える文章や外向き文書の練習をしてみよう
文章を書くのが、いつも‘外向き文書’ばかりだと、たまに気合を入れて書くものになってしまいます。そのため、‘伝える文章’は上達しません。‘内向き文書’であれば、見るのは団体のメンバーのみ。最初は変な文章でも、内部で指摘しあえば‘伝える文章’がなんとなく見えてきます。
2) 会議録は必ず作ろう
堅苦しいものでなくても、『決定事項が何か』、『検討事項は何か』を明記し回覧しておくこと。→上手な会議の進め方にも直結する。
事業実施の記録として保管しておくことで、突発的な外部の問い合わせや資料づくりにも対応できます。
2.ファイリングしよう
ファイリングとは事務処理の流れの一つであり、団体の行動を全て把握しておくために書類などを整理・保管していくものです。曖昧な記憶に頼るのではなく、確実な記録に頼る組織づくりを目指しましょう。
1) どこに置いておくのか(場所)
- 事務所はどこ? 事務局は誰?
- 見ることのできる人の線引き
- 分散して保管する場合の場所は?
2) 誰の責任なのか(責任)
- 事務局長・事務局員は?
*理事が自然に兼務するのではなく、代表任命で責任所在を明らかにします。
これは、有給・無給は、関係ありません。
3) どういう書類を綴るのか(書類内容)
- ファイルの項目をつくる。
4) どのように綴るのか(方法)
- 探している書類に、スムースにたどり着けるように綴ります。
- 柱の立て方団体内で共有できる柱探し⇒定款や事業計画で柱があるのでは?
- 様式の意味
重要度と頻度があるからこそ様式に書くもので、探し出す時に役立ちます。
5) いつまで置いておくのか(保存期間)
- 法令で保存が定められているものには以下のものがあります。
商法及び法人税法での保存、NPO法での保存、個別事業での保存
6) 何に保存するのか(保存媒体)
- 紙保存
- 電子保存(通称:e-文書法)があります。
書類整理の三原則
- 立てる…書類は横積みしない
- 見せる…タイトルを必ず記入する
- 捨てる…不要書類は随時破棄する