【円卓会議】第1回 支援につながる前の子どもと家庭を考える

2026年4月23日。

まだ年度初めですが、さっそくさぽらんてでは今年度最初となる円卓会議を開催しました。

【円卓会議とは】
市民活動団体や企業、行政、地域などさまざまな担い手が課題を共有し、互いにアイデアやネットワークを提示しながら、協働して課題の解決に取り組むことを目指すものです。

今回の論点提供者は、山口市里親会会長である德田耕一朗さん。

山口市里親会は、德田さんは、これまで長年里親をやって来られた中で、里子には障がいがあったり、生育環境が粗悪だったり、社会になじめなかったりする子どもが多いと感じておられます。

そんな、社会的養護が必要な子どもや要保護児童として支援対象になっている子どもや家庭には、支援が行き届きやすい。しかし、里子とはならずとも、家庭環境もそこまで劣悪ではないが、さまざまなことで困っているような、支援につながる前の「里子予備軍」つまり「グレーゾーン」となる子どもや家庭が置き去りになっているのではと懸念されています。

里子となる子どもを減らすためにも、そのグレーゾーンに対してどうアプローチすれば置き去りにならずに済むのかを話し合いたいと、論点を提供してくださいました。

まずは、このテーマを一緒に考えるために集まってくださった多様な立場のみなさんに、現場の状況や感じておられることをお尋ねし、共有しました。

  • 困っている子どもを助けたいと始めた子ども食堂なのに、本当に支援が必要な子どもに届いていない。
  • 子ども食堂の利用者が「レギュラー化」していて、来るのは同じ人ばかり。本当に困っているの?
  • 子どもが親を介さず、地域とのつながりを作れたらいいのに…
  • 一歩を踏み出す勇気が必要だけどなかなか難しいし、きっかけがない。
  • 子ども側からのSOSが出しにくい。
  • 地域とのつながりが薄い。
  • 支援機関につながるまでが大変…
  • 虐待やネグレクトに遭った子どもが来る施設。定員は30名。3歳から18歳まで。家庭復帰する子どももいる。
  • 教育実習の時、学校内にヤングケアラーのポスターがあった。子どもに周知が大事。
  • 学校が子どもの居場所になればいいのに。
  • 学校の先生方は里親里子について知らないが、関心があるのではないか。

これらを踏まえて、後半は2グループに分かれて「支援につながる前の子どもがいる家庭についてどう支援したらいいか」を考えるグループワークを行いました。

この「里子予備軍」である架空の家族「Aさん一家」に向けて、誰にどんなことが届けば、虐待やネグレクト、離婚や心中などに発展することを避けられるのでしょうか…?

この家族に関する現状、懸念点、アイデア、つながったらいい機関などの情報を付箋に書き込んでいきました。

2グループでの付箋を表にまとめてみました。

妻(母親)夫(父親)BくんCちゃんDちゃん
現状
(ステップファミリー)
子育て負担大、疲れ、不安ストレスで怒鳴る、子どもへの戸惑い学校で問題を起こす、怒鳴られる家が不安、自分を出せない、頼る人がいない、孤独イヤイヤ期
懸念点疲弊、家庭の問題を外に出せない地域に出ない、パパ支援がない、虐待に発展教育格差、子どもの発達に影響頼る人がいない、親を介して相談できることを知らない
アイデア相談先の連携、予防的つながり、声をかけ続ける人、民生委員さんへのアプローチパパがつながれる何か、お父さん子育て支援や精神的サポート、お父さんの会(夜の部)地域の障がいへの理解、地域への学校開放やタブレットの活用(学校との連携)CAPプログラム、子ども食堂への誘導、駄菓子屋さん、総合的な遊び
どこかに入園、町内で三世代交流
つながったらいい機関相談先(児家センや保健師)、行政、SC、SSW、子ども食堂、子育てひろば、茶話会、ママ友、ご近所、リンドヴルムおやじの会、民生委員放課後デイサービス、相談支援事業所、学校(ケース会議)学校、地域交流センター、学童、子どもの居場所保育園

Aさん一家へのつながりアイデアがたくさん出てきました。

私が特に感じたのは、お母さんを支援するところはたくさんあるけれど「パパ支援」って手薄だなあ、ということ。特にお母さんだけに限った支援ではないのだと思いますが、「子育ての相談=母親」という固定概念なのでしょうか、お父さんたちが利用しにくいのかもしれません。

そして、親を介してでないと、子どもが自分の意思や困り感を伝える術がほとんどない、ということ。子どものための電話相談、LINE相談があっても、親のスマホを使わないといけないなら届けられませんよね。

次回、5月14日に開催予定の円卓会議第2回目で、Aさん一家のようなご家庭に届けられるような具体的な取り組みを考えていこうと思います。

が・・・一番の問題点が最後に。

「届けたい人に届かんのが問題なんよね」

届けたいけれど、対象者が受け取れなかったり、受け取ってくれなかったり。「自分には関係ない」と思っていたり、個人情報の壁があって届けられなかったり。

せっかくいい支援も、届けられなければ取り越し苦労で終わってしまいます。

そうならないための円卓会議!

連携・協働し、一人でも必要な人に届くよう、次回具体策を考えていけたらと思います。

円卓会議担当:さぽらんて藤岡

第1回円卓会議 参加団体・組織等(順不同・敬称略)

山口市里親会/山口市こども未来部 子育て保健課家庭児童相談室/山口市地域生活部人権推進課/山口市地域生活部協働推進課/山口育児院/山口県議会議員/CAP西京/こども明日花プロジェクト