私たちの思っていること

~若葉ホームで生活する本人たちのホンネを聴きました。~

●仕事はどう?
☆今の仕事が楽しい。ずっと続けたいです。
☆給料がもらえるのが嬉しいです。上司からほめられるのも嬉しいです。

●今、楽しいことは何?
☆カラオケ、月に1回くらい行っている。
☆僕は、テレビの「渡る世間は鬼ばかり」を観ることが楽しい。週に1回ビールを飲むのも楽しい。 
☆僕はボウリング。ドライブも楽しい。乗り物も好き。

●親のことはどう思ってる?
☆母はやさしいけど、時々うるさく感じる。
☆僕の母も怒ると怖いけど、ふだんはやさしいから大好きです。
☆僕の父は亡くなったので、時たま仏壇を拝んでいる。亡くなった時は寂しかった。

●好きな女の子はいる?
☆気になっている女性がいます。
☆多すぎて決められない。
☆僕は、あまり好きな人はいない。

●やってみたいことは何?
☆僕の夢は、三重県に行って「赤福」を食べること。
☆家族旅行に行きたい。
☆料理のレパートリーを増やしたい。 

●将来どうしたい?
☆これからも若葉ホームで暮らしたい。
☆これからのことはあまり考えてないなあ。
☆結婚して、家族を作りたい。親を安心させたい。
☆仕事を頑張りたい。

●兄弟についてどんなことを思う?
☆兄弟とはあまり会っていない。会いたい。
☆あまり接点がない。
☆煙草を吸うのが心配…

相模原市の知的障がい者殺傷事件(7月26日)をうけて、 私たちが考えたこと

2016/10/26

【事件の概要(7月27日の毎日新聞より抜粋)】
 7月26日午前2時45分ごろ、神奈川県相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」に刃物を持った男が侵入し、入所者19人(男性9人、女性10人)が死亡、27人が重軽傷を負った。同3時すぎ、元職員の植松聖容疑者(26)が県警津久井署に出頭。
 同容疑者は、同園で2月18日に「重複障害者は生きていても意味がないので、安楽死にすればいい」と話したため、園は県警に相談。その後22日に「大麻精神病」「妄想性障害」と診断され措置入院となった。3月2日に「他人に危害を加える恐れがなくなった」と診断され、退院していた。

【保護者の声】
保護者A:
 「役に立たない者は必要ない」という考えは、自分に返ってくる。誰でも高齢者になり、障害者にもなりうる。
 役に立たない者を切り捨てた社会の中で、また、より強い者がそれ以外の者を排除し、ごく一部の人だけが幸せになるという社会になるのではないか。

保護者B:
 電車の中で、「障がい者にはたくさんの税金が使われている。」と話している人たちがいた。でも、誰にでも、生まれた時から国のお金が使われている。

保護者C:
 農作物でも、100本のうちの2,3本はうまく育たないとことがある。それと同じで、誰のもとに障がい者が生まれるかはわからない。生まれたときにその子や親を支えるのが行政ではないか。どんな人でもみんなで支え合う世の中であってほしい。

保護者D:
 障がい者を差別することはハンセン病と同じく、人間扱いではないと思う。
 弱い立場の人も含めてみんなで幸せになろうとする社会か、弱い者を排除したうえで作る社会か、どちらを目指しているのか。

保護者E:
 差別といえば、この容疑者やその考えを追認するような匿名のツイッターだけでなく、障がい者が生まれることを望まない社会自体も同じではないか。私も、自分の子に障がいのある孫が生まれることを、出生前検診で知らされたとしたらどうするだろうと考えると、自分も同罪だと、「はっ!」とした。

【本人の声】
本人O:
 驚いた。たくさんの人が殺された通り魔事件を思い出した。まえぶれがあったのに防げなかったのは問題。

本人P:
 残酷だと思う。犯人に怒りを感じる。殺された人はかわいそうに思う。