「団体とボランティアのいい関係」

5月9日(土)13時からさぽらんて会議室にて、市民活動充実講座「団体とボランティアのいい関係」が行われました。

市民活動団体のスキルアップを目的として行われたこの講座。

市民活動団体は、人材=ボランティアをどう確保するかという問題を抱えているところが多く、試行錯誤を繰り返している状況にあります。
団体が一堂に会し、それらの悩みを発信し共有すること。
また講義の中で、ボランティアのあり方や、市民活動をとりまく状況がよい方向に変化していること。
これらを学ぶことで、これからの団体活動が広がりのある豊かなものになることを願い、講座は開催されました。

最初に、参加団体によるディスカッションがあり「PRの仕方」「新規会員の増やし方」など、どの団体ももっているであろう問題点をみんなの前で発表しました。

参加は下記の5団体です。
アムネスティ山口。
アレルギーっ子の会 ぽれぽれ。
竹林ボランティア山口。
やまぐち障害者解放センター。
ひつじの会。

まずは、各団体が抱えている疑問や困ったことを、紙に書いて張り出していきます。

・どうやったら新規会員を増やせるか。
・PRの場が少ない。
・活動のお手伝いをしてくれるボランティアのGET!
・活動の負担を感じず、魅力的なものになる運営方法は。
・有償ボランティア、参加者がいない。長続きしない。
・いろんな人に参加してもらいたい。

団体の代表者が、問題点の深刻さや必要性をみんなの前で説明しました。
どの団体にも共感できる内容が多く、悩みを共有しようとする雰囲気が感じられました。

次に青年海外協力隊OBの山本貴広さんによる講義が行われ、山口きらら博で培った「おもてなし」の考え方や、ボランティアの歴史を学びました。

山本さんは若い頃青年海外協力隊に参加し、約4年間ネパールに滞在。帰国後、阿知須町(現山口市)の社会福祉協議会に就職。以後社会福祉のプロとして活動されています。

2001年の山口きらら博の成功の理由に、のべ1万人以上のボランティアが参加したことを挙げた山本さん。
会場内の清掃をはじめとする20近くの活動には、山口県民の「おもてなし」の心がありました。
この巨大なプロジェクトを支えた考え方として「人」「物」「金」があり、この3つのバランスを保つことが大切であるとのことでした。

このきらら博で生まれたボランティア活動は「きららネット」と名前をかえ、今でも活動継続中です。

また「まちづくり条例」や「社会福祉法」などにも触れ、市民活動が活発に行われることがこれからの社会に必要なことであると学びました。
自分たちのグループだけではなく、広がりのあるつながりが大事なのだという結論に至り、講義は終了しました。

最後の質疑応答では活発な意見がかわされ、はじめに出された問題点や新たな悩みをみんなで解決しようと多くの発言がありました。

「若い人に入ってもらいたい→活動日の一部を土日にもってきては?」
「ボランティアを若い人は自己実現のひとつとしてやっており、現場とのミスマッチがある→コーディネーターをあいだに挟むことで、円滑になるのでは?」
「託児代などで運営費が圧迫されるので、ボランティアに手伝って欲しい→ボランティアを都合よく考えず、お互いに得るものがないとだめなのでは?→他の団体に参加することで、どうしているのか学んでみては?」など。

参加団体の方々の話を聞いて、団体間の交流がもっとあればここまで煮詰まることもないのではと思うところもありました。
問題点がすぐに解決しなかったとしても、問題点をわかってもらえたという安心感が、これからの団体運営にいい影響を与えるのではないかと思います。

講師の山本さんと、話を聞く団体の方々。
さまざまな団体の参加がありました
講義をする山本さん。
講義中の山本さん。持っている全てを伝えますと言ってくださいました
リラックスした雰囲気の質疑応答。
リラックスした質疑応答になりました