平成23年 第1回 NPO法人連絡会議

平成23年 第1回 NPO法人連絡会議が
6月23日(木)10:00~15:15に開催されました。
参加法人は
あっと、こどもステーション山口、ひつじの会、腎友会、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会、山口せわやきネットワークの6法人、9人でした。

始めに当センター次長の平野雅彦より
基調説明『NPO法人の現状と取り巻く環境』と題し話をしました。

市民と行政の協働という言葉をよく耳にしますが、まだまだお互いの特性を理解できずスタートラインでつまずいている状況であること。また新しい公共の担い手として政府からNPOとも手をつないでいく方向を示されたが、行政側がなにを期待しているのか具体的な言葉で言えない状態という話からスタートしました。

次に山口市に主たる事務所を置くNPO法人の現状(平成23(2011)年6月10日時点)を伝えました。
・山口市の法人数 69法人(山口県 375法人、県内1位)
・特定非営利活動法人の種類 保健・医療又は福祉の増進、まちづくりの推進、団体への連絡助言又は援助の順に多い。
・所轄庁への年度報告状況 21年度は56法人が提出(90%)
・事業報告書枚数 21年度は平均4.4枚。枚数別の法人割合は、1枚のみが56.4%(31法人)、2~5枚が27.3%(15法人)
・経常収入別にみると、0~100万円未満が16団体(29.1%)、1000万円~3000万円未満が12団体(21.8%)、100万円~500万円が9団体(16.4%)
・正味財産額をみると、0~100万円未満が19団体(34.5%)、△1~12団体(21.8%)

現状から見えてくる課題として
◆平成21年度収支・資産状況一覧から
・前年度の次期繰越額と当年度の前期繰越額の不一致
・次期繰越額と資産の不一致
◎原因として、監査の知識不足。また総会でも計算書類の読み取りができる会員が少なく異議も出ないためすり抜ける。
◆評価される市民の巻き込みや機動力、事業展開力と裏腹に見えてくる課題
○法人自らの課題
・総務力(庶務・会計をはじめとした事務処理)
・書面化力(無形を有形にする書面化)
・経営力(採算性や将来性への経営感覚)
○法人を取り巻く環境の課題
・自己努力が報われる支援システムの不備
・採算が取れない公益目的事業への支援
・NPO法人への期待の具体性のなさ

従来通りの支援(「情報提供機能」「人材育成機能」「連携ネットワーク機能」)に加え、さぽらんてのNPO法人に特化した支援3カ年計画の説明をしました。
・平成23年度重点テーマ『NPO法人の運営と期待』
・平成24年度重点テーマ『NPO法人同士の連携』
・平成25年度重点テーマ『NPO法人と山口市行政の関わり』

最後に、全国域の動向として『特定非営利活動促進法の改正』について話しました。
主な変更部分
・活動分野が17分野から20分野へ
・内閣府の所轄庁が各都道府県・指定都市へ
・収支計算書から活動計算書へ
・認定NPO法人制度の組み込み  認定要件の緩和と仮認定制度の導入 等々
*施行は、平成24年4月1日

引き続き、行政説明『山口市のNPO法人への期待と施策』と題し
山口市地域振興部 協働推進課 活動支援担当 主幹 熊川 政則 氏からの話がありました。
まず「協働のまちづくり」が必要とされる背景の説明がされ、平成22年度から特に力を入れている地域交流センターを拠点とした地域づくり協議会による地域づくりについて話されました。
また行政側から見たNPO法人の課題として、信用力を上げて欲しい。そのためには情報発信が大切で、さらには大元の基盤強化と報告の充実をぜひお願いしたいと話されました。

午後からは
グループ討議をしました。自己紹介と団体の課題を話してもらいました。
共通して出てきた課題は、人材でした。
平野から
「人材育成といっても、理事・会員・職員なのか、団体によって求めるレベルが違う。単体の団体での育成は難しい。研修の場を市域・県域で取り組む必要がある。また数団体が主催してやる方法もあるが、団体によりレベルが違うため、単発ではなく体系的に取り組む必要があると考える。」
その他団体から
・助成金について、毎年取れるかわからない。計画倒れを恐れ、大きいのがねらえない。もらえても事業におわれたり、報告を出すのが大変。使い道が自由な助成金があるといい。
・ホームページで情報開示と報告を出すことは重要。その成果としてフィランソロフィーから助成金をいただいた。
・後援は行政から比較的もらいやすい。共催をもらうのは難しいが、もらえると公的な施設が使いやすくなる。共催がもらえる条件をはっきりして提示してほしい。
・寄付は市民に対してイメージしやすくわかりやすいと集めやすいと思うが、心豊かにといった抽象的だったり、障害者イコール犯罪のイメージをもたれたりするとなかなか難しいと感じてる。

などいろいろな話が出ていました。

今回参加してみて、行政側が考えているNPO法人との具体的な協働についての意見が聞けなかったのが残念でした。
普段なかなか横のつながりが少ないNPO法人同士がひとつの場に集まることは、気づきの場にもなり有効だと思います。
どこのNPO法人も忙しいとは思いますが、ぜひこういう機会に参加されることを切に希望します。

さぽらんてスタッフ 平井

平野センター次長より基調説明を受けています。
平野センター次長より基調説明
熊川政則氏のお話を聞く参加者です。
山口市協働推進課活動支援担当主幹
グループ討議を行っています。
グループ討議