NPOの花道 ファンドレイジングって?

日時 平成24年11月17日(土)13:30~16:00
参加者 11名

NPOの花道最終回は、Community Fundraising Japan共同代表の久津摩和弘さんにファンドレイジングについてみっちりと講義を受けました。

■そもそもなぜ、非営利で資金調達を学ぶ必要があるのか?
○資金調達の軽視
世界の非営利団体の常識は、解決策の計画提案・支援活動と資金調達活動(寄付金集め、助成金活動等)が解決を図るためにセットでバランスよく行われている。 日本の場合は、資金調達活動、特に寄付金集めを仕事として捉えておらず軽視されている。
○資金調達が不十分だと・・・
サービスノウハウはあるが、行政の補助金頼みとなり、行政の逼迫に応じて活動資金が少なくなり、ニーズに対応できない、NPOは役に立たないという評価になってしまう。

■社会をよくしていくためにファンドレイジングを学ぶ
ファンドレイジング(資金調達)の目的は、NPOが目的を共有する市民と一緒に活動しつつ、その自立性維持を助けるための行為。
「自らの活動や受益者について、社会に「共感」広め、かつ自団体の有する「解決策」に納得してもらうことを通じて、善意の資金を循環させる行為」(鵜尾雅隆)
○ファンドレイジング=ファン 度 レイジング(上げる)
*ファンを大切にする
*ファンと団体が思い合うことは欠かせない
*ファンドレイジングをお金を集めることではない
*団体が開発するプログラムに参加してもらう関係者を増やすことがファンドレイジング
*団体が行う社会変革は一朝一夕にできるものではない
*だからこそ、ファンとの継続的な関係作りが欠かせない
*継続的に参加してもらうことを進める為に、ファンドレイジングをサイクルで考える必要がある。
○ファンドレイジングサイクル
①組織作り
②潜在的な提供者の特定
③調査
④開拓・関係構築→依頼または企画案→資源→感謝と報告→開拓・関係構築(繰り返し)
*しっかりと夢を語り、夢をわかりやすく伝える→楽しく社会課題を解決する仲間を増やす!
*関係構築はすべてのファンドレイジングの基盤、じっくりと関係構築していくことが大切
*感謝と報告
感謝を伝える機会を7回作る!
例えば・・・
お礼の手紙(できれば手書き)
感謝状を出す
ニュースレターを送る
年次報告書にお名前を掲載する
電話でお礼を伝える など
支援者の気持ちを理解し、NPOにとって大切な人であることを伝える

■成功事例
熊本城一口城主制度
城主証としてお城の中に寄付者名の札の設置

ワールド・ビジョン・ジャパン
92年に2億の寄付から15年間で30億円の寄付
支援した子どもたちの成長記録、手紙
クリスマスまでに3000人の子どもたちを救いたい!

かものはしプロジェクト
子どもが売られない世界をつくる
児童買春の現状とそのアプローチの明確化

シャプラニール=市民による海外協力の会
取り残された人々の支援
「もったいない文化」で捨てていない物を寄付

コーズ・リレーテッド・マーケティング
Volvic(ボルビック)の売上の一部をユニセフに寄付
「アサヒスーパードライ」対象商品1本につき1円を、全国47都道府県ごとの自然環境、文化財などの保護・保全活動に役立てる
赤い羽根共同募金「募金百貨店プロジェクト」
かとうの寄付付き弁当・・・赤い羽根弁当を申し込むと1個につき10円を寄付
宇部市役所食堂・・・赤い羽根カレー380円のうち20円を寄付
(有)大樹産業・・・寄付付き物件の家賃の1%相当額を寄付
おさなかフーズ長門工場・・・とらふくセットの390円を寄付
ゼブラ(株)・・・寄付付き文房具の作成・販売により1本5円を寄付
(有)イケダ・・・毎月5のつく日にインターネットカフェAQUAのカラオケで歌うと一人1時間10円を寄付

ファンドレイジングサイクルを恋愛に例えて、無理なくじっくり関係構築のコツを伝えてくださった久津摩さん。目からウロコの新しい価値観をわかりやすく伝えていただきました。
ファンドレイジングは新しい、社会のつながりを作るツールにもなるんですね。さぽらんてもNPOと企業との連携を進めて、地域みんなで社会課題を解決していく仕組みづくりに向けて、どんどん寄付付き商品を開発していこうと仕込中です。お楽しみに!

<わたなべ>

久津摩講師が夢を語っています。
夢を語る大人久津摩講師
2人ペアで、夢を1分間で語るワークを行っています。
夢を1分間で語るワークも!
熱く真剣に夢について話し合う参加者たちです。
夢を聞いて寄付したいと思った方も!