「さぽカフェ(多文化共生円卓会議)」の第2回を実施しました。

【さぽカフェとは?】

 さぽらんてでは、さまざまな社会課題を切り口に、市民活動団体同士、又は市民活動団体と行政との課題解決のためのネットワークづくりを目的とした円卓会議「さぽカフェ」を毎年開催しています。

 

 今回は8月に第1回を実施した「多文化共生」版のさぽカフェ第2回の報告です!

 感染症拡大防止対策として9月26日まで貸館休止を余儀なくされ、今回のさぽカフェもオンラインか延期かとドキドキしていましたが、9月28日に無事対面で実施することができました。

 

【第2回さぽカフェ(多文化共生円卓会議)レポート】

 第1回では、これまで顔を合わせて話すことのなかった団体さんに、それぞれの団体の強みと課題を共有していただきました。お互いの悩みを話していくうちに、「自分たちの活動は外国籍の方に寄り添えているのだろうか」、「どんな支援が必要なのか外国籍住民視点で見れていないように思う」との意見がぽつりぽつり。これまでの活動を見直し、これからの活動へ繋げていくためには、当事者である外国籍住民の声が必要不可欠。

 ちょうど、やまぐちグローバルネットさんが「外国籍住民の生活調査」を実施予定とのことだったので、生活調査の設問を第2回で考案することになりました。

 

 ご参加いただいた皆さんは以下のとおりです。前回ご出席いただいた学生団体を含む市民活動団体計6団体と山口市国際交流課に加え、山口県国際交流協会にもお越しいただきました。

 

・国際交流ひらかわ風の会 齋藤正彦さん、凉子さん

・日本語クラブ山口 吹屋葉子さん

・やまぐちグローバルネット 柿沼瑞穂さん

・山口県青年海外協力隊OB会山口支部 橋本加代さん

・山口大学留学生サポーター 前田昂佑さん

・山口大学LiVI 藤本ゆうかさん

・山口県国際交流協会 越口みゆきさん

・山口市国際交流課 河村学さん、中村文香さん

 

 第2回は「顔を合わせて話すこと」「相談内容・経験から外国籍住民の抱える課題の検討」「アンケート設問の考案」を目標とし、前半には国際交流協会さんからの県内の外国籍住民を取り巻く現状と相談内容を共有していただき、後半にはワークを通してアンケート設問の考案を試みました。

 

普段から外国籍住民支援をされているだけあり、皆さんトーク力が高い!

 

今回のアイスブレーキングはリレー式。お題は、最近あった楽しかった/嬉しかったこと、今の気持ち、次の人に聞きたいことでした。

 

山口県国際交流協会の越口さんより、山口県内の外国籍住民のことや、協会に寄せられる相談内容を共有していただきました。質疑応答も活発に行われ、充実した学びの機会となりました。

越口さんは国際交流協会でも様々な講座でお話されており、説明もとってもわかりやすかったです!

 

お次は「これまでに出会った、困っていた外国籍の方」の書き出しワーク。

アンケート設問を考えるにあたり、対象となる「外国籍住民」がよりくっきりと捉えられるようにと思ったのですが、約10分間のワークで50近い事例が出ました!

休憩中でもふせんも見つめる参加者のみなさん

《事例(一部)》

・韓国人留学生:保険会社に交通事故の処理を頼んでいるが、どうなっているかわからない。

・ベトナム人技能実習生:給与明細が読めなくて困っている。

・フィリピン人:お祭りに参加したいが、どこで情報が得られるかわからない。

・外国人児童生徒:日本語での日常会話はできても、勉強についていけず困っている。

 

 国籍や在留目的が多様となった現在、外国籍住民が抱える問題も多様で複雑化してきました。基盤となるのはやはり日本語力ではありますが、文化・慣習の違いや昨今のコロナによる社会情勢の変化も、多くの影響を及ぼしていることがワークでよくわかりました。

 

 黄色のふせんに書き出した事例に、更にピンク色のふせんで「その人(事例)に聞いてみたいこと」を書き、事例のすぐ側に貼ってみました。円卓をくるくると回りながら各事例を見てもらい、「どんなアルバイトがしたいの?」「母国と違う日本の制度は何?」など自由にふせんを貼っていってもらいました。感想や気付きを共有する中で、その時の支援方法や悩んだこと、こんな困りごとが増えている、と支援者側からの情報を同時にお聞きすることができました。

ピンクのふせんをどんどん貼っていきます

 

事例紹介に関しては、やっぱりベテラン団体さんが強い!

 今後はやまぐちグローバルネットさんが、今回考案した設問を精査した後に調査を実施します。調査実施時には参加団体みんなで協働し、できるだけたくさんの声を拾っていきます。

年度末にはやまぐちグローバルネットさんに調査結果の報告会を開いてもらい、団体さんと一緒に結果を共有することで、これからの協働、活動内容を考えていく予定でいます。

 

 今回円卓会議にご出席いただいた団体、行政の方に事後アンケートをお願いしたところ、「課題が深掘りできなかった」、「定期的に集まりたい」という意見を多くいただきました。時間が十分にお取りできなかったことを反省するとともに、これまで団体ごとに抱えてきた課題が集まったということもありますので、今後はこれらの課題にどう向き合っていくか深掘りしていきたいと思っています。

 レポートをご覧の皆さんも、どんな国の人が近くに住んでいるのかな?と周りをすこ~し気にかけてみてください。ひとりひとりのやさしい心が、その地域に住む外国籍住民の安心につながります。

(多文化共生事業担当:畑中)