「さぽらんてNPO入門」レポート!

12月16日、師走のまっただ中に「さぽらんてNPO入門講座」を開催しました。
講師:渡辺 洋子(さぽらんてセンター長)

NPO法人のスタッフさん、法人格取得を目指す団体さん、活動を始めたばかりの団体さん、これから活動を始めたい市民の方、様々な顔ぶれの12名。

昨年開催した「NPO入門」は、ほんとにカジュアルだったんです。ほんとに・・・

今回は、受講者のニーズに併せ内容を「いざ!!NPO入門」くらいの勢いに急きょ変更しました。(チラシにはカジュアルって書いてたじゃんッ!!と言われないか内心ドキドキ)

どちらにせよ、NPO・市民活動を学ぶ上では外せない内容です。それを2時間でどの角度からどれだけ詰めるか・・・いざ!!

まずは、参加者の自己紹介、活動紹介、活動のきっかけ、これからやりたいこと等を伺ったのですが、みなさんしっかり課題意識や次のステージを目指して本日参加されていたようで「いざ!!」に変更してよかったと、後方の席でこっそり胸をなでおろしました。

NPOとは?

Non(非)
Profit(利益を目的とした)
Organization(組織)
民間非営利組織と訳されますが、誤解されがちな非営利の意味や、NPOとNPO法人の違いについて基本のキから学びました。サービスに対する対価や、参加費などNPOも当然いただきます。物品の販売もOKです。資金調達もNPOに必要なスキルの一つ。儲けすぎていけないこともありません。ただし、それが目的になる、儲けたので利益をみんなで山分けするとNPOの定義からは外れてしまいます。
法人格をもたない任意の団体であっても、自由に、自主的に、自立的に活動する民間の非営利団体をNPOといい、NPO法人とあわせ総称して「NPO」と呼ばれます。

法人格をとるメリット

1 契約の主体となれる
2 団体と個人の資産を整理できる
3 個人より信用が得やすい
メリットはこの3つですが、法人に課せられる責任や義務はこの何倍もありますのでよくよく検討してください。

NPO法人の義務

・毎年の官公庁への実績報告が必要
・法務局へ財産登記が必要
・ルールに基づいた運営が必要
・残余財産は戻らない
・収益事業については課税対象となる(任意の団体であっても同じです)
・経理や事業について法人事務処理のスキルが必要

特定非営利活動法人促進法

1995年の阪神淡路大震災を機に、立法作業が加速したと言われています。この時に、行政だけでは対応しきれない、外国人、アレルギーを持った人、障がい者等の特別な配慮のいる被災者にいち早く支援の手をさし述べたのが市民団体でした。
行政や民間企業は、組織力・資金力でたくさんの課題を解決することができますが、細やかなニーズや、特殊なケースにはNPOがその力を発揮します。

さらに、上記の内容を抑えてから、NPOが期待されている事、NPOだからできる事、また山口市の総合計画をもとにNPOの役割等について学びました。

おわりに

受講者のみなさんは、行政では対応できない課題解決に向かう方たちばかり。営利目的では、到底できない少数の声に耳を傾け、急ぎ過ぎることなく慎重に長いスパンで先を見ている姿勢がとても印象的でした。今まさに法人格取得に向け、団体内で何度も話し合い、勉強会を設けて、組織が一丸となってじっくり準備中の団体さんがおられたのですが、「法人格は何かをするための道具でしかない」それを一番実感されているかもしれません。

さぽらんてでは、「おでかけさぽらんて」で個別に法人化に向けての個別勉強会を行っていますが、その際も必ずこの入門内容は必須項目。学生スタッフも含めさぽらんての職員も必須の研修内容。NPO法人の新規スタッフさん研修にもぜひご活用ください。これから一歩を踏み出そうとする方にもおススメする内容です。

活動の基盤に。その思いです。
常にではなく、立ち止まって考えるとき。
その時に思い返していだたけると幸いです。

スタッフ小田

講座の様子です