会計基礎講座を実施しました

助成金や寄付、会費収入のある市民活動団体向けの会計基礎講座を開催しました。講師は、株式会社FPオフィス縁代表で、ファイナンシャルプランナーの中村久枝先生です。中村先生は、ぽらんてを運営するNPO法人山口せわやきネットワークの経理アドバイザー歴20年で、NPO会計にも精通されています。

 

中村流会計基礎講座の「基礎」とは、帳簿のつけかたや管理の方法のイロハではなく、そもそものお金にまつわる制度やしくみ、会計がもつ役割や性質のことを指しています。ここを押さえておけば、「困った」「わからない」「なぜ」が発生した時の考え方や、どこに聞けばいいかがわかるというもの。

 

まず「会計とは?」「その目的は?」「誰に報告するのか?」「そのための方法」を参加者一人ひとりが考えました。助成元なのか、寄付者なのか、会員なのか、自治体なのか、お金の管理の仕方は同じでも、誰に報告するかで示し方は異なりますよね?というお話し。そこに信頼をプラスできるように、しくみや制度のことを知っておく必要があります。

 

例えば、講師やボランティアさんに支払う謝金や報酬。支払う側が任意団体なら源泉徴収はしなくてもいいのでしょうか?

 

「任意団体だからしなくてもいい」は間違いです。任意団体であっても、対象になる場合も多々あります。よそがしていないから自分たちもしなくて大丈夫は通用しません。対象でない場合ももちろんあります。本来するべき源泉徴収をしていなかった場合、他がどんなに適正に管理されていたとしても、その団体の会計は信頼を失います。

 

なるほど・・・知らずに源泉徴収していなかったり、必要でないのにしていたりが発生していそうです。

 

他には、参加者からの事前質問に「お金があわない(帳簿の残高と現金が同じではない)ときはどうしたらいいか」というものがありました。この場合、どの時点で間違えているのかさかのぼって探し、判明したからといって過去の帳簿を書き換えたりするのは論外です。知らないとやってしまいそうになりますが、正しくは、お金が合わなくなった日を探すのではなく、お金が合わないと気づいたその日にお金があっていないという記載をして仕分けをすること。「お金が合わなかった事実」の記録も報告のひとつ。また、「小口現金」で管理することで、問題を回避できる、管理がしやすくなるというアドバイスを受けました。

 

「第3者に見られても大丈夫」という心づもりで、誰が見ても分かりやすい推奨された勘定科目を使用する、簡潔に記録することはもちろん、領収証管理に裏紙を使用しないなどちょっとの工夫も信頼につながるそうです。会計ソフトの導入も信頼度アップにつながります。スタートアップや立ち上げ支援で助成金が獲得できた機会に導入を検討するのもいいかもしれませんね。

 

お金の扱い(管理)で、信頼度は大きく左右されます。基本は、領収書1枚、1円まで襟を正して管理するその意識。(苦手な人も多いと思いますが・・・)

 

 

私自身、家計簿もまともにできたためしがなく・・・電卓よりもどんぶりで計算する方が多いのですが・・・30万円の助成金の会計を担当する機会を頂きましたので、襟を正しながら慎重に会計初実務に挑戦中です。まだ何がわからないのかもわからない状況です。「会計の相談は小田まで」と言える日はまだまだほど遠いですが、その日が来るよう精進します!「こんな私でもできました」と言えるように!

 

 

★参加者アンケートの質問の回答です。

Q:会計報告は必ずしないといけないのですか?

A:もちろんです。

Q:領収証のあてな「上」様はOKですか?

A:極力避けましょう。「上」様と書かれるより空白の方がまだよいです。

 

 

<スタッフ小田>