寄附でつながるプロジェクト 第1回 レポート

寄附でつながるプロジェクト(NPO寄附付き商品開発ワーク)
~つながることから希望が育つ~

第1回:NPO基礎マネジメント~団体のミッション・ビジョンの整理~

8月26日(月)13:30~16:30 さぽらんて会議室

講      師:中村伸一さん(やまぐち総合研究所)
コーディネーター:久津摩和弘さん(地域福祉ファンドレイジング・ネットワーク共同代表)

■概要
全6回のNPO寄附付き商品開発ワークは「企業×企業のコラボ」の中村伸一さんと「企業×寄附付き商品づくり」の久津摩和弘さんがすすめます。
講師の中村伸一さんは、どうやったらモノが売れるか、人・会社が育つかを指導するビジネスコンサルタント。企業×企業のコラボレーションを生みだすワークショップが大人気で地域活性化・商店街活性化・6次産業化をキーワードに西日本各地で活躍中。
コーディネーターの久津摩和弘さんは全国で5本の指に入るNPOファンドレイザー。全国各地で講師を務める寄附付き商品づくりの講座では企業とのコラボ成功率は90%を超えるとか。
12月まで1回3時間×全6回のワークで寄附付き商品最前線の話題から企業に向けての団体プレゼン・マッチング、実際に企業と一緒に寄附付き商品づくり、ふりかえりまで実施します。

第1回目となる今回は、中村さんが「事業価値を高める経営レポート(独立行政法人中小企業基盤整備機構)」の中のシートをNPO向けに解説しながら団体のミッション・ビジョンの整理をしました。
9割の中小企業の手が止まる・白紙で出すことも多いという「キャッチフレーズ・経営理念」ですが、参加NPO法人の皆さんは悩まず即答。「ワーク・発表・質問」を繰り返しながら各団体シートを埋めていきました。「企業の目線」について何度か解説が入りました。

「企業の目線」は助成金申請をするときのポイントと同じなので、「対企業だしどうしよう」と心配しないでも大丈夫。ただし、助成金申請以上に、団体の活動の説明責任・情報公開発信が大切だなと感じました。

通常は5回に分けてする事業計画づくり・経営分析を1回で行う充実した3時間でした。

ワーク(●)とレクチャー(○)の詳細は・・・
●ワーク1
企業が行う事業活動や発信する情報で共感したことはある?その共感したモノ・コトは、どのような事?
・社会貢献活動、自販機、樹を植える(イオン・コスモ石油)
・パナソニックの部を超えた女性社員の商品企画のストーリー番組(女性目線・共感)
・クリーン活動(日本タバコ)
・1リッターfor10リッター(ボルビック)
※団体のイメージと商品・社会貢献の内容をリンクさせることが大切。

○CMの変化、10年前は値段や機能で売れていた⇒今は共感を得る内容でないと売れない。

●ワーク2
あなたの団体が企業や個人から共感を得られるものは何?
・子どもたちが子ども時代を豊かに過ごすことを支援していること
・子育て支援を子育てをしつつ活動をする当事者性
・行政がサポートできない部分をしていること

○かくれた強みを再発見しアピールしていこう。

●ワーク3
あなたが今の団体を設立した時の想いは?
・認定NPO法人こどもステーション山口
キャッチフレーズ:わたしの子どもからわたしたちの子どもへ
設立理念:子どもたちが子ども時代をこころ豊かに過ごすための環境づくり
・NPO法人あっと
キャッチフレーズ:子育てがハンデでなくアドバンテージになる社会へ
設立理念:母親が「子どもを産んでよかった」と心から思える社会の実現

・NPO法人支えてねットワーク
キャッチフレーズ:共に生きる。共に育つ。向き合う。
設立理念:障がいを持つ方やひきこもりの若者たちが、地域で一人ひとり輝いて生きる
※団体の発表を聞いたら質問タイム。「意見」を聞くと否定的・攻撃的な内容になることがあるので「質問」にするのがワークの際のポイント。

○想い、ビジョン、ヒストリー、ストーリー、プロセスを情報発信しよう。

●ワーク4
利用者が団体を利用する流れを書いてみよう

※団体のミッションやビジョン・利用者(サービス提供の)プロセスを見える化すると、団体の活動について他者への説明力が身に付きます。

○知的資産の3分類とは
・人的資産:特定のスタッフがいなくなるとなくなる(人脈・アイデア・利用者・専門性etc)
・組織資産:スタッフがいなくなっても団体内に残る資産(理念・ビジョン・ノウハウ・システムetc)
・関係資産:団体の対外関係的に付随したすべての資産(団体イメージ・経歴・信頼関係etc)

●ワーク5
団体の知的資産を組織内で共有しよう

※グループで共有することが大事。企業側から聞かれた時どのスタッフもちゃんと答えられるように。
※中小零細企業の情報(企業側の活動内容)についてもチェックし、自団体とマッチングできそうか見極める。
※「機会」は大小いろいろある。新聞・テレビいろんなルートで情報収集が大切。

○情報発信・PR
※信頼・安心を生むためのもの(企業・行政・助成財団に向けて)
消費者は複数の媒体で情報を得て安心する。⇒いろんなメディアで何度も出そう。
いろんな数字を企業はチェック!実績(年表・数字)、数値目標はきちんと出そう。

※共感を生むためのもの(個人・企業に向けて)
見せる人によってだす情報は替える。
数字は載せない。
団体プレゼンはあらかじめターゲットを絞ってストーリー作りを。
ちなみに講師の名刺は5種類使い分けているそうです。

■終わりに
久津摩さんから2回目のワークのために宿題がでました。
「ビジョンを実現するため何をしたい?いくらほしい?か各団体で話し合ってくること」

■参加
認定NPO法人こどもステーション山口
NPO法人あっと
NPO法人支えてねットワーク
講師2名、参加団体から7名、傍聴1名、スタッフ3名 計13名

■参考
中村伸一さんの過去の講座「NPO知的資産マネジメント基礎研修」レポートはこちら

久津摩和弘さん過去の講座「NPOの花道ファンドレイジングって?」レポートはこちら

講座の終了後、久津摩さんが「寄附を集めるということは、キモチを集めるということ」といわれたのが心に響きました。2回目の9月9日は「寄附付き商品づくり概要説明」。久津摩さんに寄附付き商品市場について、寄附付き商品づくりのステップなどお話ししていただきます。ワクワクします、次回も楽しみです。

<ちぢまつ>

地元山口市在住の中村さんと久津摩さん、笑顔のツーショットです。
地元山口市在住の最強コラボ実現です
隣席の人とワークを行っている風景です。
ワーク風景
真剣に発表を行っている様子です。
発表風景
差し入れのリンゴを食べながらワークに取り組んでいます。
差し入れのリンゴを食べながらのワーク
参考資料の「事業価値を高める経営レポート」です。
参考資料の「事業価値を高める経営レポート」