第1回さぽカフェレポート

5月13日(金)に第1回さぽカフェを開催しました。
参加者は5団体と市協働推進課、さぽらんてスタッフの総勢11名。
今年度のテーマは“特別な配慮を必要とする人への災害時支援を考える”。東日本大震災から5年という節目に、改めて防災について考える機会をもとうと2月の時点ですでに決めていたテーマでしたが、先月の熊本地震を受け山口も他人事ではないという危機感を皆で共有してからはじまりました。
実際に被災し避難所生活も経験された山口県避難移住者の会の浅野さんに体験談を伺いましたが、『5年経ってようやく話せるようになったこともあります』という言葉に、甚大な災害が残した爪痕と被災者の方々の心の傷の深さを垣間見ました。やはり経験者でなければ分からないことがたくさんあるのだということも思い知らされました。
また、これまで自然災害の被災地に何度も支援に行かれた経験のある山口災害救援のメンバーでありりす会山口の代表もつとめる金子さんは、外部から支援に入ることの難しさを明かしてくれました。
被災地でより迅速で的確な支援を行えるように、各地域での防災リーダーの養成は急務かもしれません。
アレルギーっ子の会ぽれぽれの代表、田辺さんは、食物アレルギーをもっている子は支給されたものを下手に食べられない為独自で非常時にアレルギー対応食を融通し合うネットワークをもっていること、それでも団体のメンバーで災害が起きた時に備えてシミュレーションをした際、ネットワークが想定通りに機能せず、万が一に対応するむずかしさを感じたこと等をお話しいただきました。
『腎不全患者は1日おきに4時間人工透析が必要で、1週間透析できないと死に至ります』そう語ったのはNPO法人山口県腎友会の吉村さん。
先日の熊本地震では人工透析が行える病院が倒壊などにより透析可能な県内の病院94医療機関のうち17施設が対応できなくなったことがニュースになりました。
災害時に備えた患者の全国的なネットワークがあるものの高齢化が進んでいるといいます。側面的なサポートが今後必要になっていくでしょう。
今回のさぽカフェのひとつの方向性として、生活に他者の支援を要する人たちが意識不明時や言葉を話せず家族と離れ離れになった時に、発見者が迅速に家族へ連絡したり支援方法を確認できるしくみにつなげたいというねらいがあり、その切り札としてご参加いただいたのが、多岐にわたる障害児・者の福祉サービス事業を行っているNPO法人山口ウッドムーンネットワークの堅田さん。現在運用されているとあるシステムが、もしかしたら山口のみならず、全国規模で支援を要する人を救うツールになっていくかもしれません。
次回のさぽカフェで、構想はさらに具体化するはず。今後の進展にご期待ください。

(さぽカフェ担当 川上)