NPOの花道 ~定款の意義~

■日 時 9月6日(火)14:00~16:00
■参加者 9名

行政書士の山本敦子氏、原裕子氏を招いて、これからNPO法人を目指している人たちを対象に、定款の意義と契約行為について話していただきました。
普段は行政書士としてそれぞれ事務所を構えて仕事をされる傍ら、コスモス成年後見サポートセンター山口市支部の会員としても活動されているお二人です。
登録団体としても、さぽらんてに来られるお二人は、参加者の活動内容にも興味をもたれ、まずは、参加者の自己紹介から始まりました。

講座の概略は・・・

定款の意義
■NPO法人になるための主な要件
① 主な活動が特定非営利活動を行うことを目的としていること
② 営利を目的としないものであること(利益を社員に分配しない)
③ 社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付さないこと
④ 10人以上の社員を有するものであること
⑤ 役員として、3人以上の理事と1人以上の監事がいること
⑥ 役員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の3分の1以下であること
⑦ 宗教活動や政治活動を主たる目的としないこと
⑧ 特定の公職者(候補者を含む)又は政党を推薦、支持、反対することを目的としないこと
⑨ 暴力団でないこと、暴力団又は暴力団員等の統制のもとにある団体でないこと

■NPOのしくみ
NPOの、主旨に賛同した支援者(会員・寄付者・事業協力など)は、株式会社でいう株主となりますが、配当がもらえるわけではありません。配当の代わりに、支援者の求めるものは、目的・事業に対する成果報告ということになります。

■定款とは?
定款とは、NPO法人の憲法のようなものであり、NPO法人は定款で定めた範囲内で、自由に要求できる権利を有し、当然守らなければいけない義務を負うことになります。
定款は、法人の目的、活動、組織、業務執行等に関する基本規則を記載したもので、法人内部の規範として、役員、社員、機関(総会・理事会)及び法人の構成員全員を拘束します。
法人の根本規則としては、まず法律の規定があり、次に法人が定める定款があります。
【定款に記載する規定】
○必要的記載事項・・・定款に必ず記載しなければならないこと(NPO法第11条)
○相対的記載事項・・・定款に定めがなければその効力を生じない事項
定款に記載を欠いても定款自体無効となることはないが、定款に記載しておかなければ、その事項について効力が生じない事項 (定款の定めが法に優先する)
○任意的記載事項・・・法律に規定がなく、定款に定めをおくかどうか、またその内容をどのようなものにするのか法人の自主判断にゆだねられている事項(実際には、規則や細則とする場合が多い)

■定款を自分たちで作る
定款はNPO法人の憲法のようなものであり、団体を運営していくときには、必要に応じて定款を参照しながら進めなければなりません。
定款は自分たちの組織を定義するのに合理的な構造になっているので、この構造を考えて自分たちで、作りましょう。
【定款の構造】
○使命・目的(事業内容)⇒活動の基本になる、常に振り返る大切なところ
特定非営利活動の20分野に該当し、不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与する目的を決める!
○目的に賛同した会員につてい規定
どの会員が法でいう社員(総会で議決権をもつ者)になるかを明確にしておく
入るしくみと辞めるルールを明示
○会員の中から役員を選任する規定
○会議の持ち方について規定 ⇒会議の種別・定数・議決方法など(理事会は任意)
どのような会議で何を議決するのか決める。
総会重点型にするのか、理事会(理事会は任意)重点型にするのかは、自分たちの団体の運営方針などを考えて決める
○組織の運営について規定 ⇒監事の規定、資産、会計、職員任免、定款の変更、合併・解散などについて

■その他
法人とは・・・自然人(私たちは自然人としての権利義務を持つ)以外で法律の権利義務の主体になれる人。NPO法人としての権利義務の主体になれる。

続いては契約について・・・

講師は、なんとか、契約を身近に感じてもらおうと、パロディストーリーを準備してくださり、その中に発生する契約を説明してくださいました。日常生活にたくさんの契約行為があることに驚きました。

■契約とは
契約とは法律行為であり、成立するには、2人以上の人(あるいは法人)の相対立する意思表示の合意が必要。
契約はいろいろな物やサービスの移転を可能にする優れたツールであり、日常生活からビジネスの世界まで、新しい法律関係を作るには不可欠。いまやあふれるばかりの契約に囲まれて生活している。
私的自治≒契約自由の原則→個人の意志に基づくもので、むやみに国家は介入しない。ただし、公序良俗に反するものはNG!

■契約法の種類
民法に規定がある典型契約は、
○財産権の移転を目的とした、贈与、売買など
○物の利用を目的とした 消費貸借、使用貸借、賃貸借など
○サービスの提供を目的とした 雇用、請負、委任など    の13種

契約については、難しい言葉がたくさんで、避けて通りたいところですが、個人の生活の中にも多様な契約があるように、NPO法人として事業を運営していると、賃貸契約、売買契約、使用貸借契約、委託契約、雇用契約などたくさんの契約行為が発生します。これからは、NPO法人も専門家を活用しながら、法人の意志を契約に反映できるようになっていけばいいなと思います。

以上簡単なエッセンスのみお伝えしました。

・・・それにしても、契約については、知らない法律と用語がたくさんで、道険しの感がありますが、少しずつ前進していきます。

<さぽらんて 渡邉>

山本先生、原先生が講義をしています。
講座の様子です1
先生のお話を真剣に聞く参加者です。
講座の様子です2